『天使のつめきり大宮店』へ訪れると、いつもにこやかな笑顔で迎え入れてくれる田辺三矢子さん。2020年に店舗をオープンして、4年目を迎えました。
天使のつめきりは、あらゆる年代の足、足指、爪のトラブルを解消するためのケアを行う、メディカルフットケア専門店。
こちらでケアを受けると、自分の足や爪の違いに驚くとともに、笑顔が溢れてしまいます。
そんなフットケアをする田辺さんに、この仕事を選んだ経緯・仕事への想いを伺いました。
20年の看護師経験を経てフットケアの道へ
20年の間、患者さんのケアを続けていくうちに、「フットケア」の重要性に気づいた田辺さん。
爪の不具合や、変形。それは、立位のバランスに影響を与え、歩行しづらいなどの不具合が生じることに。特にお年寄りへの影響は大きいのです。
看護師としてできるケアの限界を感じ、学ぼうと考えたのが、フットケア。
横浜にある、『天使のつめきり』で、フットケアの専門知識とケアを本格的に学びにいくことを決意。
看護師の仕事とスクール通いの両立は、過酷だったと田辺さんは振り返ります。
「日々の仕事に忙殺されて、このままでいいのかなって。自分の挑戦したいことを仕事に潰されちゃう人生でもいいのかなって。それで、退職することにしました。」
フットケアを学び、足のトラブルを解消したい!という強い思いは、看護師を退職するという大きな決断へ繋がっていきました。
フットケアをやっていく!覚悟が決まるまで
開業したのは、2020年。まさに、コロナ禍。
看板を出したものの、通りを歩く人は少ない。訪れる人もいない。
そんな中、営業のためにチラシを作る日々。心が大きく揺れ動く時期だったと、田辺さんは振り返ります。
「何をやっているんだろうって。看護師の仕事をしないで、チラシ作りをして。これは社会貢献になっているんだろうかって思ったりして。」
「患者さんのケアをするためにフットケアを学んだけど、それでお金をいただくのはいいのかなって思うようにもなって。かなり私の中に『メンタルブロック』がかかった状態でした。」
悩みつつ、日々を過ごす田辺さんの「メンタルブロック」を外す引き金となったのは、フットケアを体験したお客さんの様子でした。
「ケアを受けたお客さんが、歩けるように変化する姿を見て、この仕事は『小さな社会貢献』になるのだと気づきました。私は、病院に行く患者さんを減らすために、フットケア専門の看護師になるんだと、思えるようになったんです。」
覚悟が決まった田辺さんによる、熱心な営業活動、店舗を訪れたお客さんの口コミなどで、お客さんは次第に増えていきました。
スクールで紡ぐ絆・広がる輪
開業して1年が過ぎた頃、フットケアスクールを開始。スクール生を募集します。
「フットケアを学ぶ場所を作ることで、ケアをできる人をもっと増やしたかったんです。」
日本では足指や爪の専門的なケアができる場所は少なく、足指や爪のケアが専門店でできるということすら、知られていないことも。
それを変えていきたいのだと、田辺さんは熱を込めて話します。
現在、スクール生は6名。これまでに、のべ7名が卒業しています。
※現在スクールの募集は看護師資格を持つ人に限られます。
ボランティア体験や、施設等の実習などを通して、スクール生同士の絆は一層、深まります。
使用する器具や、仕事先の情報交換をスクール生同士で行う様子を、微笑ましく見守る田辺さん。
「やはり、強い思いがあるというか、良くなってほしい、元気になってほしいという気持ちを持つ方が集まってくるので、すごく温かくて楽しい雰囲気です。」
卒業生が開業したり、病院でフットケアの専門家として活躍したりする…。それぞれの場所で根を張り、フットケアが広がっていく。
それは、「笑顔になれる人」を増やすこと。それが、とても嬉しいのだと田辺さんは話します。
「私も、スクールの仲間から育てていただいている感覚です。スクール生が技術を身につけ、フットケアができて嬉しいと聞くと、私はとても幸せな気持ちになります。」
田辺さんが紡いだ輪は、さらに大きく広がっていきます。
田辺さんが想い描くフットケアの「未来」
背中を押してくれるお客さんの言葉
天使のつめきりには、80代以上のお年寄りも多く通います。LINE登録をして、自分で予約をする90代の方もいらっしゃるのだとか!
・フットケアを通して、歩き方が変わり、外出が楽しくなったという方。
・足の見た目が恥ずかしくて、人と一緒にお風呂に行ったり、宿泊したりできないと思っていたけれど、できるようになった方。
・フットケアを続けることで、自分の足を「可愛い。」と思えるようになった方。
「フットケアが私に夢を与えてくれた。」と、お客さんに言っていただき、フットケアは人を笑顔にすることができる!と、実感できるようになった、田辺さん。
「お客さんにかけてもらう言葉は、私の背中を押してくれています。」
お母さん、楽しそうだね
看護師時代に比べ、家族との時間も増えた田辺さん。
「自分で、働く時間を調整できるようになり、時間のゆとりが生まれました。」
それにより、これまで躊躇していた役員の仕事なども引き受けたいと思えるようになったのだそうです。
「お母さん、楽しそうだね。」と、田辺さんのお子さん。スクール生への実習をする際に、爪のケアのモデルをしてくれたり、家の手伝いをしてくれるのだそう。
家族の応援を力に、田辺さんはフットケアでもっと笑顔の人を増やしていきたい。
そう、思うのです。
健康寿命を伸ばしたい!足のこと・身体のことを気軽に相談できる場に
フットケアにより、笑顔の人を増やし、健康寿命を伸ばしたいと語る田辺さん。
「気軽に相談できる場所というのが、病院以外にあるということは、とても大事だなと思っています。そういう場所がどんどん広がっていくといいなぁと。」
必要な人へ、必要なサービスが届くようにしたい。
だからこそ、フットケアの認知度を上げていきたいし、スクールによってケアができる人を増やし、その輪を広げていく…。
「フットケアが、文化になる」ことが目標だと田辺さんは語ります。
「触れるって、安心するみたいなんです。知識はもちろん必要だけど、患者さんに触れて、安心してもらう。それが、患者さんを笑顔にすることだと実感しました。これからも優しく触れるケアで、笑顔を増やしていきたいです。」
技術的な面だけではない、心からの「安心感」がこの場所にはあります。
天使のつめきり大宮の可愛らしいマーク ケアを受けるとこんな笑顔になれるのです。
店舗情報
天使のつめきり大宮
所在地:埼玉県さいたま市北区日進町2-1477
電話:048-664-2402
営業時間:8:30〜18:00 土・日・祝定休
駐車場:2台分あり
公式サイト:https://tumekiri-omiya.com/
Instagram:https://www.instagram.com/tensinotumekiriomoya/